我が国の
註:
意(もよい)は、催(もよい) に同じ。ものの兆しの見えること。
嶽廻(たけまわり) (だけまわり)
「国会図書館」「信州大学」では「たけまわり」
「ヘルン文庫」「早稲田大学」では「だけまわり」
岩波文庫によると、初版は「だけまわり」で改訂版では「たけまわり」
参照リンク:
私の北越雪譜 雪のきざし
単純翻刻
○雪意(ゆきもよひ)
我国の雪意(ゆきもよひ)は暖国(だんこく)に均(ひと)しからずおよそ九月の半(なかば)より霜を置(おき)て寒気次第(しだい)に烈(はげし)く九月の末に至(いたれ)ば殺風肌(さつふうはだへ)を侵(をかし)て冬枯(ふゆがれ)の諸木葉(しよぼくは)を落(おと)し天色霎(てんしよくせふ/\)として日の光(ひかり)を看(み)ざる事連日(れんじつ)是雪の意(もよほし)也天気朦朧(もうろう)たる事数日(すじつ)にして遠近(ゑんきん)の高山(かうざん)に白(はく)を点(てん)じて雪を観(み)せしむこれを里言(さとことば)に「嶽廻(たけまはり)」といふ又海(うみ)ある所は海鳴(うみな)り山ふかき処は山なる遠雷の如しこれを里言に胴鳴(どうな)りといふこれを見これを聞(きゝ)て雪の遠(とほ)からざるをしる年の寒暖(かんだん)につれて時日(じじつ)はさだかならねど「たけまはり」「どうなり」は秋の彼岸(ひがん)前後(ぜんご)にあり毎年(まいねん)かくのごとし
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